【現地レポート】もう「安さ」だけではない——激変するジョホールバルの投資価値と現場の熱狂

シンガポール経済紙『The Business Times』は先日、「No more cheap kopi?(もう安いコーヒーは飲めない?)」という刺激的な見出しで、マレーシア・ジョホール州の劇的な変化を報じました。

3ccc1897559fee749a757c1a8c7fe9632ecb7ea5a384d3828d2c0a1de37762ae?w=960&dpr=1&f=webp

(出典:The Business Times 2026年2月23日付記事)
https://www.businesstimes.com.sg/international/asean/no-more-cheap-kopi-price-johors-investment-boom

かつてシンガポール側から見て「隣にある手頃な街」だったジョホールバルは今、マイクロソフトやNVIDIAなどの世界的なハイテク企業が押し寄せる次世代のテック拠点へと変貌を遂げようとしています。

1. 投資ブームがもたらす経済の地殻変動

記事では、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)への期待と、NVIDIAやマイクロソフトといった巨額のデータセンター投資により、現地の物価や不動産価格が上昇している現状が伝えられています。

物価が上がるということは、それだけ動いているマネーの質と量が変わったという証拠です。

もはやジョホールは、シンガポール人にとってもリタイア後の静かな移住先ではなく、攻めのビジネス・投資拠点としてのステージに入ったと言えるでしょう。

2. 私が現地で見たコーズウェイの圧倒的な熱量

このニュースを裏付ける光景を、私は先日、現地でこの目に焼き付けてきました。

まず驚かされるのは、シンガポールとジョホールを結ぶ橋、コーズウェイ(Causeway)の大渋滞です。単なる混雑ではありません。人、モノ、金が国境を越えて激しく行き来する、圧倒的なエネルギーの塊です。この渋滞こそが、両都市がいかに不可分であり、互いの経済をブーストさせているかを示す生きた指標に他なりません。

Johor Baru 2025.2026 5 e1772265820317
Johor Baru 2025.2026 2

3. 着実に完成に近づく高速鉄道RTSリンク

しかし、この大渋滞で私はシンガポールからジョホールまで3時間近くもかかってしまいました。

渋滞がなければ入出国の手続きをしても30分程度で行ける距離なのに、です。

この状態の改善に期待されているのが、シンガポールとジョホールを数分で結ぶ次世代輸送システム「RTSリンク」の進捗です。

工事の進捗は現場を見れば一目瞭然です。巨大な橋脚が次々と立ち並び、完成に向けて着実に、そして急速に工事が進んでいます。私は数カ月ごとにジョホールを訪れますがどんどん景色が変わっています。

このインフラが完成すれば、ジョホールバルの価値は一段上のフェーズへ引き上げられるはずです。私たちはその確信を、建設現場の圧倒的なスケール感から肌で感じました。