日銀介入による円高・リンギット相場への影響とマレーシア経済の最新動向

東南アジア現地の最新政経・不動産動向をお届けする【サンデーブリーフィングvol.16】。今週は、為替介入による円急伸がマレーシアリンギット相場や不動産投資に与える影響、JS-SEZやRTSリンクを巡る両国首脳の動向、そして高所得国入り目前に迫るマレーシア経済について、K社長の視点で解説します。

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7月30日夜のニューヨーク市場で、1ドル163円近辺で推移していた円相場が短時間で157円台後半まで急伸しました。日米が連携して円安の是正に動いたと報道されています。31日の日銀金融政策決定会合では政策金利1.0%の据え置きが決まりましたが、その最中にも改めて介入とみられる動きがあったと報じられています。

為替介入か、円急伸157円台後半 NY市場で短時間に2円 | 日本経済新聞
日銀、政策金利1.0%据え置き 追加利上げ見送り | 日本経済新聞

この動きはリンギット相場にも波及しています。マレーシアの為替市場では、円急伸を受けてリンギットは対円でRM1=38.3円(8月3日時点)程度となっています。
一方、対ドルでは米国の弱い経済指標を受けてリンギット自体は底堅く推移しており、「対ドルでは堅調、対円では急落」というねじれた値動きになった点が今回の特徴です。

マレーシア不動産のオーナーにとっては、「円で見た賃料収入」は今回のように急に目減りする場面もある一方、リンギット建ての資産価値自体は変わらないという点は、あらためて意識していただきたいところです。
逆に今から購入を検討される方はまだこの円高がある程度続くのであればここしばらくよりは有利なレートで購入ができるかもしれません。
いずれにせよ、短期的な相場の上下に一喜一憂するより、中長期でどう資産を分散させるかという視点を持ち続けることが大切だと考えています。

シンガポールのターマン大統領は7月12~15日にマレーシアを公式訪問し、アンワル首相と会談しました。訪問の締めくくりにあたり、ターマン大統領はジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)と2027年1月開業予定のRTSリンクについて、「シンガポールの一部の企業には競争が厳しくなる面もあるが、全体としては両国とも勝者になる」と述べ、両国の経済的な結び付きが一段と深まるとの見方を示しました。アンワル首相も、JS-SEZマスタープランの近く取りまとめに向けた進展を歓迎するとフェイスブックで発信しています。

Singapore, Malaysia to be ‘winners’ with JS-SEZ and RTS Link, says Tharman | The Edge Malaysia

現地の状況を踏まえると、こうした首脳レベルでのメッセージは投資家心理を下支えする材料になりやすいと見ています。実際、このおよそ2週間後の8月1日には、マレーシアのアクマル経済相からJS-SEZマスタープランを12月の首脳リトリートで正式発表する予定だとの発言も出ており、外交・制度両面でジョホールへの追い風が重なりつつある局面だと捉えています。

マレーシアのラマナン人的資源相は7月25日、同国の1人当たり国民総所得(GNI)が12,380米ドルとなり、独立以来の最高値を更新したと明らかにしました。GDPも4,720億米ドルと1957年の独立以来最大規模に達しているとのことです。2027会計年度における世界銀行の高所得国基準は14,376米ドルで、同相は「その一歩手前まで来ている」と述べています。

Malaysia just one step away from high-income nation status, says Ramanan | The Star

K-innovateとしては、この「高所得国入り目前」という経済成長のストーリーは、投資家がマレーシア不動産を検討する際の土台として引き続き重要な材料だと見ています。ジョホールやKLといった個別エリアのニュースだけでなく、こうした国全体の底上げが続いている点も、あわせてご覧いただけると全体像がつかみやすいかと思います。

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