vol.1:インフラ投資と不動産価値の関係——政府が動いた後では遅い、は本当か

本記事は2026年4月16日配信のメルマガ「【現場からの海外投資思考 vol.1】大型インフラ整備MRT3。2032年開通、その前に動いた人が勝つ。」に加筆、修正したものです。

なぜ「インフラ」が不動産投資の判断軸になるのか

利回りや価格だけを見て投資を判断する方は多いです。ただ、本当に資産を守り・増やしている方に共通しているのは、「政府がどこにお金を流しているか」 に着目していることです。
民間の開発計画と異なり、国家戦略として推進されるインフラ投資は、予算・法整備・政治的意思が伴います。よほどの政変でもない限り、止まりません。この確実性こそが、投資判断の軸になります。

Johor Baru 2025.2026 1

今、マレーシアで動いている2つの大型インフラ

MRT3サークルライン(クアラルンプール)

2025年7月、クアラルンプール都市圏を環状に結ぶMRT3サークルラインの最終計画が、交通大臣によって正式に承認されました。全長51km・31駅、既存のMRT・LRT・KTM・モノレールと接続する10の乗り換え駅を備えるこの路線は、2027年着工・2032年全線開通を目標にプロジェクトが本格的に動き出しています。

RTSリンク(ジョホールバル〜シンガポール)

ジョホールバルとシンガポールを結ぶRTSリンクは建設がほぼ完了し、現在はシステムテストの段階に入っています。2026年末の完成・2027年初頭の開業を目標に、最終段階が進んでいます。

「インフラ完成後では遅い」は、半分正しく半分間違い

「インフラが完成してから買っても遅い」とよく言われます。完成時点で価格が高騰しているケースは確かに多く、その意味では正しいです。ただ、完成前ならいつでも良いというわけでもありません。

インフラ計画には段階があります。

  1. 構想段階:計画の実現性がまだ不透明。リスクが高い
  2. 計画承認済み・着工前:国家のお墨付きで信頼性が担保されている。価格はまだ形成途上
  3. 着工〜完成:価格上昇が本格化しはじめる
  4. 完成・開業後:価格が織り込み済みになりやすい

今のクアラルンプールのMRT3は**「計画承認済み・着工前」**のフェーズです。計画の信頼性は確保されながら、不動産価格はまだ形成途上にある——これが現在の市場の現実です。 ジョホールのRTSリンクに至っては、開業が目前に迫っている状況でも、シンガポールとの不動産の価格差は依然として歴然としています。

現在、注目しているエリア

こうしたインフラ整備の恩恵を直接受けるエリアとして、現在注目しているのは以下の2つです。

  • クアラルンプール都市圏:MRT3サークルラインの沿線エリア、あるいはすでに複数の交通網が交差するKLCC周辺。
  • ジョホールバル:RTSリンクの開業によってシンガポールとの往来が劇的に変わるジョホールバル中心部。

いずれも「インフラが整い、人が集まり、価値が上がる」という流れの、助走段階にあります。MRT3の開通は2032年、RTSリンクの開業は2027年初頭——今動く理由が明確にある開発です。

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