vol.2:米ドル建て・外貨建て資産を持つ意味——通貨の分散は「リスクを取ること」ではなく「リスクを減らすこと」

本記事は2026年4月16日配信のメルマガ「【現場からの海外投資思考 vol.2】円で持ち続けることのリスクを、真剣に考えたことがありますか?」に加筆、修正したものです。

2020年、1ドルは約105円でした。それが現在は160円前後で推移しています。わずか数年で、円の価値はドルに対して30%以上下落したことになります。

「いずれ円高に戻る」と待ち続けた方も多いと思います。しかし日米の金利差・財政状況・人口動態を冷静に見ると、円が構造的に弱くなっていく圧力は今後も続く可能性があります。

インフレによる実質的な購買力の低下も加わり、「円建て資産をそのまま持ち続ける」という選択そのものが、リスクになりつつあります。これは悲観論ではなく、現実として受け止めるべき構造変化です。

外貨建て資産を持つことは「投機」ではありませんか?

いいえ、特定の通貨(円)に資産が集中するリスクを避ける「リスク分散」の一環です。株式や不動産だけでなく、通貨そのものを分散させることで、資産の実質的な価値を守る考え方です。

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資産の一部を外貨建てで持つことを、「リスクを取ること」ではなく「リスクを減らすこと」として捉える動きが広がっています。

株式・債券・不動産といった資産クラスの分散はよく知られていますが、通貨の分散はまだ十分に意識されていないケースが多いです。円建て資産だけで構成されたポートフォリオは、円安が進むほど実質的な価値が目減りしていきます。

重要なのは、分散先の通貨を「何となく」選ばないことです。米ドル、シンガポールドル、マレーシアリンギット——それぞれに特性があり、投資目的と時間軸に合わせて選ぶことが求められます。

米ドル建て不動産というとアメリカ本土を思い浮かべる方も多いですが、価格水準・参入のしやすさ・成長余地という観点では、東南アジアが現在、最も合理的な選択肢のひとつです。

成熟した先進国市場では不動産価格がすでに高値圏にあり、キャピタルゲインの余地は限られています。一方、東南アジアの主要都市はインフラ整備・外資流入・人口増加という複数の成長ドライバーを同時に持ち、資産価値の上昇と安定したインカムゲインの両方を狙える環境が整っています。

カンボジアは東南アジアで唯一、国内決済の多くが米ドルで行われている国です。不動産の価格・賃料・管理費もすべて米ドル建てのため、為替リスクが限定的なまま米ドル資産を積み上げることができます。

2026年も4〜5%前後の経済成長が見込まれ、外国直接投資は前年比16%増と加速しています。外資100%所有(2階以上のコンドミニアムの場合)が認められている規制環境の開放性も、大きな魅力のひとつです。

マレーシアリンギットは資源国通貨としての側面を持ち、原油・パーム油などのコモディティ価格と連動する傾向があります。円とは異なる動きをする通貨であり、円建て資産との分散効果が働きます。マレーシア経済の好調さを背景に、海外からの直接投資も毎年新記録を更新しています。

フリーホールド(永久所有権)の物件であれば、長期的な資産価値の安定性も加わります。

米ドル建てのカンボジア、リンギット建てのマレーシア——同じ「海外不動産」でも、通貨・エリア・物件タイプを組み合わせることで、より堅固な分散が実現できます。

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