海外不動産キーワード解説vol.2:
<本記事は2026/04/22配信の「【海外不動産キーワード解説 vol.2】フリーホールドとリースホールド--マレーシア不動産、どちらを選ぶべきか?」に加筆、修正したものです。>
マレーシアで不動産投資を検討する際、日本の投資家が必ずと言っていいほど直面する疑問があります。それが「所有権の種類」の違いです。 日本では「不動産を買う=永久に自分のもの」というのが一般的ですが、マレーシアでは大きく分けて「フリーホールド(永久所有権)」と「リースホールド(借地権付き所有権)」の2つの権利形態が存在します。 本記事では、これら2つの違いを整理し、投資家としてどのような視点で選ぶべきか、具体的な物件例を交えて詳しく解説します。
1. フリーホールド(Freehold):日本と同じ「永久所有権」
フリーホールドとは、文字通り「自由に、永久に保持できる」権利のことです。日本で土地・建物を購入した際と同様の権利形態だと考えて間違いありません。
主な特徴
- 所有期限のなし:期限なく、永久に所有し続けることができます。
- 高い流動性と資産価値:長期にわたって価値が維持されやすいため、売却時(出口戦略)において買い手が見つかりやすい傾向があります。
- 相続・贈与の容易さ:次世代への資産継承を前提とする場合、最も安心感のある選択肢です。
2. リースホールド(Leasehold):期間付きの「借地権付き所有権」
リースホールドは、一定期間(一般的に99年が多い)に限定された所有権です。期間が満了すると、土地は原則として州政府に返還されます。
主な特徴
- 期限の存在:99年などの期間が決まっています。
- 政府への返還:期間満了後は政府に返還されますが、制度上は手数料を支払って延長申請をすることも可能です。ただし、認められるかどうかはその時の政府の方針に左右されます。
- 都心部での普及:日本でも定期借地権はありますがそれほど多くはありません。しかし、マレーシアではクアラルンプール(KL)などの都市部では極めて一般的な形態であり、地元のマレーシア人も外国人投資家も当然のように購入・流通させています。
3. 日本との決定的な違いと「リースホールド」の誤解
日本にも借地権付き物件は存在しますが、マレーシアにおける「リースホールド」はそれよりも遥かに一般的です。ここで重要なのは、「リースホールドだから投資価値が低い」と一概に決めつけるのは間違いであるという点です。 世界の大都市(ロンドンや香港など)でも同様の制度は一般的であり、投資家は「権利の長さ」よりも「その場所の収益性」を重視します。
4. 投資家目線で「どちらを選ぶべきか」の判断基準
どちらの権利形態が最適かは、皆さまの投資目的によって変わります。
「フリーホールド」を選ぶべき人
- 資産保全重視:20年、30年、あるいは子供の代まで長く持ち続けたい。
- 出口の確実性:いつでも売却しやすい「鉄板」の資産を保有したい。
「リースホールド」を選ぶべき人
- 利回り重視:同エリアのフリーホールド物件に比べ割安なケースが多く、その分高い表面利回りが期待できます。
- 立地優先:駅から直結しているTOD物件など、権利形態を上回る圧倒的な利便性がある場合。
5. 【事例比較】Armani Hallson vs Centrix The Station
実際に現在弊社でご紹介している物件でも、この権利の違いが戦略の差として現れています。
- Armani Hallson KLCC(フリーホールド) クアラルンプールの中心、ツインタワーからわずか徒歩圏内に位置する永久所有権物件です。長期的な資産価値の安定と、ブランド力を重視する方に向いています。
- Centrix The Station(リースホールド) ダン・ワンギ駅に直結するTOD物件です。こちらはリースホールドですが、駅直結という圧倒的な利便性がショートタームレンタルの稼働率の高さを担保しており、利回りと利便性を追求する投資家から高い支持を得ています。
まとめ:権利よりも「立地・価格・管理」が重要
最終的に海外不動産投資の成否を分けるのは、権利の種類そのものよりも、**「適正な価格で買い、適切な管理を行い、出口戦略を描けているか」**という点です。 「フリーホールドだから安心」と盲信するのではなく、リースホールドであっても「その利便性が価格に見合っているか」を冷静に判断し投資する物件を検討していただければと思います。
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