vol.5:「シンガポールの隣」を超えるジョホール:新時代の投資戦略

本記事は2026年5月14日配信のメルマガ「現場からの海外投資思考 vol.5」を加筆修正したものです。

来月、私はクアラルンプールからジョホールバルへ、鉄道で向かいます。

これまで陸路でジョホールバルに向かう場合、乗り換えを含めると7時間以上かかることもあり、出張では飛行機を使うのが当然でした。しかし2025年12月12日、その常識が変わりました。マレーシア国鉄(KTMB)が、クアラルンプール(KL)〜ジョホールバル(JB)間の電動特急「ETS(Electric Train Service)」の直通運行を開始したのです。

これまでは途中区間の電化が進んでおらず、南部ではディーゼル列車しか走れなかったため、所要時間は約7時間と長く、乗り換えも必要でした。今回、電化・複線化工事が完了したことで、クアラルンプールからジョホールバルまで一本の電車で走ることが可能になりました。

この新路線は、KLからJBまで鉄道で直接結ぶもので、KL〜JB間16駅に停車し、所要時間は約4時間20分です。短時間とまでは言えませんが、これまでの乗り換えあり7時間に比べれば相当な時間短縮です。最高時速140kmで走行する近代的な電動特急であり、車内にはWi-Fiやコンセントも完備されています。今回の視察でいよいよ実際に乗ってみます。

参考K-innovateによる開通レポート:【歴史的転換点】シンガポール・JB・KLが鉄道で直結! – K-innovate

IMG 4866

ジョホールバルと言えば、長らく「シンガポールのベッドタウン」「シンガポールの隣」という文脈で語られてきました。特に最近は、ジョホールバルとシンガポールを直結するRTSリンクの開業が迫っており、その話題は国内外のメディアで繰り返し取り上げられています。

両国を結ぶ新たな鉄道「RTSリンク(Rapid Transit System Link)」が2026年12月の運行開始を予定しており、移動時間はわずか5分になる見込みです。これはシンガポール・ウッドランズ・ノース駅とジョホールバルのブキッチャガー駅を結ぶ約4kmの路線で、ピーク時には各方向で毎時1万人の移送となる想定で、2駅間を約5分で駆け抜けます。

しかし今回着目したいのは、RTSリンクではなく先にKLとJBをつないだETSの存在です。RTSはジョホールとシンガポールを結ぶインフラですが、ETSはジョホールとマレーシアの首都クアラルンプールを結ぶインフラです。この二つが揃うことで、ジョホールはますます重要な都市となるでしょう。KLのビジネスマンがジョホールに目を向ける理由が、また一つ生まれました。

2026年末のRTS Link開業後には、シンガポールからJBを介してKLまでの鉄道移動を楽しむ方やビジネスで利用する方が増えるでしょう。シンガポール・ジョホール・クアラルンプールという三都市が、一本の鉄道ルートで結ぶ時代が、現実のものとなりつつあるのです。

長年、海外不動産の現場を見てきた経験から確信していることがあります。街の価値が変わる瞬間には、必ずインフラの変化が伴う。道路、空港、そして鉄道。人の流れが変わるとビジネスが変わり、需要が変わり、不動産の価値が変わります。これは日本でも同様で、新駅や新線の開通が沿線の地価を押し上げてきた歴史は枚挙にいとまがありません。

ジョホールではその変化が、二重に、同時並行で進んでいます。不動産デベロッパー各社は、RTSリンクなどの急速なインフラ開発によって活気づくジョホール州不動産市場に期待を寄せています。RTSリンクの完成により、シンガポールの若者や中間所得層がJB物件を購入したり投資したりするようになるとも予測されています。

さらにシンガポール政府も、2026年末に開通予定のRTSリンクを活用しシンガポール国民や企業が利益を享受できるよう支援する新たなタスクフォースを設立しています。両国の政府・民間双方がジョホールの変化を本気で見据えているということです。

しかし数字やレポートを読んでいるだけでは、実際の変化は実感しにくいものです。だから私は乗ってみることにしました。

私が海外不動産の情報発信を続けていて、一貫してこだわっていることがあります。必ず自分の足で行く、ということです。

どれだけ優れたレポートや統計データがあっても、駅のホームに立ってみてわかること、車窓から見える景色、物件の工事現場、ショールームの賑わい――そういったものは現地に行かなければ掴めません。

今回のETS乗車もその一環です。KLを出発してから約4時間20分、車窓から見えるマレーシアの地方都市、途中停車駅の表情、JBセントラルに到着した瞬間の空気感。それが今の投資判断に直接つながります。ジョホールの現場で何を確かめてくるか。帰国後にまたこの場でお伝えします。

改めて整理すると、2026年のジョホールには以下の変化が重なっています。

  • ① ETSの全線開通(2025年12月12日) KL〜JB間が直通で約4時間20分で結ばれ、両都市間のビジネス・生活の距離が大きく縮まった。
  • ② RTSリンクの開業(2026年12月〜2027年1月予定) RTSリンクの利用者数は、運行開始時点で1日約4万人と見込まれており、将来的には1日約14万人まで増加する可能性があります。シンガポール側からの人口流入が本格化し、ジョホールの住宅需要を押し上げる可能性があります。
  • ③ ジョホール・シンガポール特別経済区(JSSEZ)の進捗 マレーシアとシンガポールの両政府が合意した共同経済特区は、製造業・テック企業の進出を促しており、雇用と人口の増加が見込まれています。

これらが同時に進行しているのが、今のジョホールです。「シンガポールの隣」という一言で片付けるには、あまりにも多くのことが動いています。


視察から戻り次第、現地レポートをお届けする予定です。それに先立ち、まだホームページでも公開していないジョホール物件の紹介を含めた特別セミナーを開催いたします。いつもより30分拡大した1時間半の構成で、本気で検討されている方にじっくりお伝えします。

日本人投資家が知らないジョホールという答え

  • 日時:6月3日(火)19:00〜20:30
  • 費用:無料
  • 形式:オンライン

👉 セミナー詳細・お申込みはこちら 

👉 個別相談(WEB)はこちら

※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴い、為替・市場環境により実際の収益は変動します。